植物選定のポイント

樹木の選定は慎重に

 樹木選定のポイントとしては、まず移植がしやすいこと、永続的に鑑賞価値のあること、市場性のあることなどが上げられる。樹木には固有の特性があり、その特性を生かして使えば失敗することは少ない。そのような樹木特性より、海辺の塩害による影響や、ビル風による被害など、立地条件による影響を考慮する方が重要であろう。理想的には、植栽後、生長をコントロールできる樹木が望ましい。
 屋上緑化に適した樹木は表のようなもので、特に特殊な樹木というものはない。ただこのような樹木でも、限られた客土厚に植栽するため、樹木自体の選定の方が重要かもしれない。例えば次ぎのような注意点があげられる。@樹姿が整っていること(アンカーや支柱が簡単に済む)A移植根廻しが行われていて、細根が多く出ていること(植えいたみが少ない)B根鉢がなるべく薄いこと(客土厚のないところでも植えられる)C施肥管理の充分なもの(植栽後、しばらく鉢土の養分で生長できる)──以上のような点をポイントに樹木選びを行う必要がある。
 最近ではポット・コンテナ栽培も多く行われており、さらに屋上緑化用の樹木として人工的に根鉢を薄くする研究も行われている。このような樹木の方が、移植後の失敗も少なくて、管理もしやすいかもしれない。

高木落葉樹ケヤキ、ウメ、モミジ、ニレ、ソロ、ブナ、エゴ、ヤマボウシ、サクラ、ハナミズキなど。
常緑広葉樹クスノキ、マテバシイ、シイ、タブノキ、シラカシ、アラカシ、クロガネモチ、ツバキ、モッコクなど。
針葉樹カヤノキ、マツ、イチイ、メタセコイヤ、ヒバ類など。
低木落葉樹アジサイ、ハギ、ヒュウガミズキ、レンギョウ、ウツギ類、ドウダンツツジ、ビヨウヤナギ等。
常緑樹ツツジ、サツキ、シャリンバイ、ツゲ、ウバメガシ、トベラ、カンツバキ等。
針葉樹ハイビャクシン、コニファー類、キャラブキなど。
地被類コウライ芝、ヘデラ類、ビンカビノール、アジュカ、ヒペリカム等。



右現状 右計画のポイント 右設計のポイント 右工事のポイント 右事例 右工法紹介・田島 右工法紹介・日新